2009年10月13日

ビスマス結晶の色のはなし2

グラデーションが分かりやすい結晶

色違いのビスマス結晶


ビスマス結晶のあの色は表面の酸化膜が握っている、というのが前回のはなし。
なぜ、ああいう風に多彩な色になるのか、というのが今回のはなし。
先に言ってしまえば、これは結晶を融液から取り出した後の冷却速度のせいです。

ビスマス結晶の色の原因が酸化膜での光の干渉ならば、重要なのはその厚さ。酸化膜の厚さが変化するのは結晶が高温の間なので、核心は融液から結晶を取り出して冷却する時の冷却速度です。
実際、融液から結晶を取り出して冷やしている間に色合いが金色→赤紫→青紫→青→黄緑→金色→赤紫→青→緑と連続して変化していくのを見ることが出来ます。

小さな結晶(=冷めるのが早い)は色の変化が進む前に冷えてしまうので青紫系の色になりがち。結晶がグラデーションになるのは結晶が端から冷えていった名残です。逆に、冷やす速度を変えることで、ある程度色合いを制御する事も出来ます。ただし、水冷は厳禁です。高温の金属が飛び散ったりするなど、ロクな目に遭いません。
posted by 堀石廉 [holyithylene] at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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